2-0.写真はボケる
“ボケる”というのが、関西人の…じゃなくて^^;写真の基本的性質です。いわば光の世界の決まりごとです。ミラーレスフォトの醍醐味である背景ぼかしも、諸悪の根源のように言われるピンボケも、この原理から来ています。
カメラを手に取る前に、まずは自分の目でモノを見てみましょう。片目をつぶってみてください。右でも左でもOKです。で、指を目の前に持ってきて、指紋の線を数えるぐらいのつもりでじっと見つめてください。
そのとき、背景はどうなっていますか?輪郭がぼやけていますよね?指を、見つめたまま前後に動かすと、目に近づけるほど背景はボケて、遠ざけていくと逆に背景もだんだんくっきりと見えてくると思います。
そのまま話を続けます。では、背景がボケた状態で目を細めるとどうなりますか?背景にあるものも(くっきりしないまでも)ある程度形が分かるようになりませんか?でも、目を細めすぎると今度は暗くなって何も見えなくなってしまいますよね。
写真のボケも実はこれと同じようなものなのですが、人間の目の場合は目玉が動くので近くと遠くを交互に見ることができ、あまりボケを意識することはありません。一方、写真の中では時間が止まっているので、ボケたものは永遠にボケています。
NEXのようなカメラだと人間の目よりもよくボケます。だから主題が浮き立つし、ピンボケも多発します。なので、ボケを制するものはミラーレスフォトを制す、と言っても過言ではないのです。(何を制するのかは知らないけど^^;)
最近のカメラには本当にたくさんの機能が備わっていますが、写真の基本は案外シンプルです。レンズに、見つめる位置を決めさせたり目の細め具合を変えさせたりする方法さえ分かれば、それだけでも十分に素晴らしい写真が撮れますよ。